写真講座

2014年3月23日 (日)

写真講座 第四回 オートフォーカス(AF)その2

動き物にピントを合わす。とりあえずこの写真を。

Af020動くマロを撮影。ピンク色の部分、マロの後ろの部分にピント合ってます。
向かって来るマロに、ピピッとピントを合わせてシャッターを切りました。
ピントを合わせてからシャッターを切るまでの間にマロは前に来ます。しかしピントは最初に合わせた場所でロックされてますので、前に進んだマロは、当然ピンボケ。

Afこれは、AF方式がS-AFに設定されてるからです。
S-AFは、ピントの精度が一番良く、一般撮影に最も適しています。
ただ、動くもの撮影には向きません。

Af_2
動くものを撮るには設定を変える必要があります。
2番目のC-AF(NikonではAFC、CanonはAIサーボ)です。
CはContinuousのC、上記のようにシャッターボタン半押しの間ピントを合わせ続けます。S-AFは、ピピッと合焦しなければシャッターボタンが押せないのに対し、このC-AFではいつでもシャッターを切る事ができます。

C-AFは連写撮影に良く使います。

Af021

Af022

Af023シャッターボタンは押しっぱなし。前に来るマロを、カメラが確実にピントを合わせ続けてくれた結果得られた写真。

そしてもう一つ。
C-AF+TR
真っすぐ前に来る、又は遠ざかる被写体はC-AFで捕える事ができますが、予測不能な動き、上下左右の動きが加わるとC-AFでは捕えきれません。

0001
こっちに来るマロを、センターのフォーカスポイントで捕えて連写開始。
けど、予想に反して(言うこと聞かない)突然右に進路を変えた。

0002
道から外れて下の田んぼに。
慌ててカメラを振ったけどセンターのフォーカスポイントを外してしまった!
けど、ピンとばっちり。
フォーカスポイントが外れても、すぐに周りのフォーカスポイントでピントを合わせ続けるAF方式を使いました。
OMDを触ったことがないので、C-AF+TRがNikonの3Dトラッキングと同じかどうか解らないが、たぶん同じだと思います。
ただしピントの精度は落ちます。
精度は、S-AF>C-AF>C-AF+TR 
こんな感じです。

いずれにせよ慣れが必要です。瞬時に判断して、適切なAF方式に設定できるよう練習しましょう。

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2014年3月18日 (火)

写真講座 第三回 オートフォーカス(AF)その1

積極的にピントを合わそう

カメラ任せではピントを合わせたいものに合わないことがあります。
カメラの設定を変えてフォーカスターゲット(フォーカスポイント)を自分で選べるようにしましょう。

Aftgt

OMD E-M5ならば、上の図真ん中、シングルターゲットに設定します。
最初にフレーミング(構図を決める)してシャッターボタンを軽く押し撮影スタンバイ状態にした後、背面の十字ボタンでピントを合わせたいエリアを選択して撮影。
この方法が一番お勧めです。十字ボタン操作を練習しましょう。
もう一つ方法があります。
センター固定フォーカスロック、よく使われる方法です。

Af001
中央のフォーカスポイントでピントを合わせたい被写体を捕らえて、シャッターボタンを半押し。ピピッと鳴って合焦(ピントが合う)したら、そのまま半押し状態をキープしてカメラを振ってフレーミング。

Af002

構図が決まったら、もう一段シャッターボタンを押し込んで撮影。
めんどくさい時はこの方法で撮影します。
しかしこの方法が使えない場面がけっこうあります。

Af009
その例。
上のような写真をとりたいとします。

Af010

赤いドレスのフラメンコおねーさんにカメラを向けて、

Af013
センターでピピッと合焦させてフォーカスロック。

Af014

カメラを振ってフレーミングして撮影。

Af015

撮れたのがこの写真。
あれ?フラメンコねーさんピンボケ。むしろ後ろのフラメンコにーさんにピントが来てる。
何が起きたのでしょうか?

Af016_centerfroc
この図はフォーカスロックした状態です。
この後カメラを左へ振ります。

Af017centerfpan
黄線がピントが合う面です。ずれてるのがお分かりでしょうか。
ふつう「カメラを振る」という動作は、体軸を中心とした回転運動になってしまいます。三脚でも回転運動になります。その結果ピント面がずれてしまいます。
完全な平行移動ができたらピントはずれませんが、非常にむつかしいといえます。

このような近接撮影では、ピントが合う範囲(被写界深度)が極端に狭いため、少しの誤差も許されません。最初にフレーミングしてフォーカスポイントを選択するのが正解です。
普通の撮影では、被写界深度がそこそこあるので、この誤差はあまり問題になりません(フォーカスロックでもピントが外れない).。

普段から、なるべくターゲットを選択して撮影する習慣をつけ、とっさの場合とか急いでるときはセンターで。
そんな感じですかネ。

次回はAFその2
動体追尾について。

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2014年3月10日 (月)

写真講座 第二回 絞り優先

第二回目
[絞り優先で撮ってみよう]

Find_a 今回は絞り優先モード。
絞りを自分で決めるモードです。
モードダイアルを[A]にして、シャッターボタンを軽く押して撮影スタンバイ状態にします。メインダイアルを回して絞りを選びます。
カメラが最適なシャッタースピードとISOを決めてくれます。

ダイアルを回すとファインダー内表示の絞り値が変わりますが、同時にシャッター速度もそれに合わせて変化します。露出の限界を超えるとシャッター速度が点滅しますので、点滅しない範囲で絞り値を決めてください。

ところで、そもそも絞りってなんだ?
光の量を調節する、水道に例えればバルブのようなものです。
シャッターはカメラ本体にありますが、絞りはレンズ内にあります。

Open
この写真は絞りをまったく絞ってない状態です。「絞り開放」又は「開放絞り」といいます。

F56
そこそこ絞った状態。絞り値はf5.6。われわれ世代(昭和30年代)は「ゴーロク」と読みます。6枚の絞り羽で瞳を絞っているのが分かるでしょうか。

F16
最後まで絞り込んでみました。これ以上絞り込めません。この状態を[最小絞り]と言います。最大に絞り込んでるのに最小です。このレンズは最小絞りがf16です。開放絞りはf1.8。レンズにぐるりと何か書いてあります。[1:1.8 f=50mm]古い表記方法で混乱しますが、50ミリレンズで開放絞りがf1.8と言う意味です。f1.8の明るさのレンズという言い方もします。明るめのレンズです。

絞りを変えるとどう写真が変わるか?
作例で説明します。

A50f63
絞りはf6.3、50mmレンズで撮影。[ED12-50mm f3.5-6.3]は、広角端の開放絞りはf3.5で、望遠端(50mm)ではf6.3のレンズです。たいていのズームレンズは、ズームすると開放絞り値が変化します。

A50f16
f16まで絞り込みました。同じく50mm。
f6.3の写真もf16写真も、どちらも手前のリスにピントを合わせました。奥の砂糖つぼと、更に奥の鳥籠に注目してください。
f6.3ではボケてますがf16ではピントが合っているのがお分かりでしょうか?このように、絞り込めば絞り込むほどピントの合う範囲が広がります。逆に絞りを開ければピントの合う範囲(被写界深度という)が狭くなります。
背景をボカシたいときに絞りを開けて撮る、という手法はよく使います。

f6.3のレンズなのでこれ以上絞りを開けられないのですが、f4、f2.8、と仮に開けられたとしたら、もっと背景がボケた写真になります。もっと絞り込んだら、ピントの合う範囲が更に広がります。

A35_f16
35mmf2.0 のレンズで撮りました。絞りはf16 手前のベンチから奥の看板までほぼピントが合ってます。

A35_f2_2
同じレンズで絞り開放。f2.0 マロの目にピントを合わせました。それ以外はほぼボケてます。
明るいレンズは良くボケます。ただし絞り値が同じであれば、焦点距離が長いほうがボケます(被写界深度が狭くなります)。
簡単に言うと、望遠レンズは良くボケて広角レンズはほとんどボケません。

もう一つ、絞り値の違いで写真が変わる例を。下2例は違いが微妙なため、画像クリックで拡大表示させてご覧ください。iPhoneのモニターでは違いが判らないかもです。

F2
35mmf2.0レンズ。絞りf2.0(開放)で撮影。
正面の壁にピントを合わせましたが、建物の奥行き含めてほぼ全体にピントが合ってます。
(遠景にピントを合わせた場合、絞り開放でも被写界深度は広くなります。一部にだけピントが合うということは無くなります。)

F22_2
f22まで絞り込みました。この二つの例は被写界深度を比べずに、飾り窓や前面の壁あたりをよく見てください。
f2.0に比べてf22に絞った写真のほうがシャープにみえませんか?f2.0は何となくモヤッとしてて甘い感じです。
解像力が必要な風景写真などは、多くの場合絞り込んで撮影します。ポートレートなど柔らかい感じを出したい写真は絞りを開けて撮影します。

シャッター速度は写真の動きをコントロールするのに対して、絞りは写真の質をコントロールすることができます。色々な絞り値で撮影してみてください。

けっこうややこしい内容になってしまいました。
要するに、二箇所の赤字部分が今回の核心です。

つづく。

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2014年3月 8日 (土)

写真講座 第一回 シャッター速度優先

少し離れたところに住んでる人がカメラを新調しました。
型落ちですが最近のカメラなので、フルオートで使ってもそれなりの絵が撮れます。
でもせっかく買ったのだから、ちゃんと使いたい。そんなカメラを手に入れたのだから。

教えたい私。でも電話やメールなどでは伝え難い。
ならばブログでやっちまおう、というのが今回の記事。しばらくお付き合い下さい。

第一回目
[シャッター速度優先で撮ってみよう]
 シャッター速度優先とは、「自分でシャッター速度を選ぶ」というモードです。あとはカメラが自動で、最適な絞りとISOを決めてくれます。
 動くものを撮るときや、動きを表現するときに向いてる撮影モードです。

では、シャッター速度とは?
それを理解してもらうために写真を用意しました。

301_
上の写真は、シャッター速度1/30。やや遅めのシャッター速度(以下SSと記します)です。動いてる車がブレてます。
動いてることが表現できていると思います。

6401
同じ場所でSSを変えて撮影。今度は早めのSS。
車が止まってるのではなく、そう見えるだけ。1/640秒で撮りました。
車のスピードはどちらも60km/h前後。SSを変えるだけで、こんなに違います。

遅いSSでは動くものがブレて写りますが、カメラ自体もブレてしまうので気を付ける必要があります。
具体的には、極端に遅いSSを使う場合は三脚でカメラを固定するなどの対策が必要です。

手ブレの例を。

1001
SSは1/100秒。ふつーの写真。

51
ブレブレの原因は SSを1/5秒にしたため。
手持ち撮影の限界は、初心者では1/60秒ぐらいか?
オリンパスの手ブレ補正は優秀なので、ひょっとしたら1/8秒位まで安全圏かもしれません。でも過信は禁物。慣れるまでは、なるべく速いSSを使いましょう。

あと、わざとカメラをブラす撮影方法があります。
流し撮りという撮り方です。

251
SSを遅めの1/25秒にして、カメラで車を追いながら(この場合は右から左に動かす)シャッターをきった写真。
背景はカメラを動かしてるんで当然ブレてますが、車は止まってます。
スピード感を表現する場合に良く使いますが、E-M5の手ブレ補正は優秀すぎてこの写真が取れません。
スーパーコンパネから IS(手ブレ補正)を [IS Off]にするか [IS②(縦ぶれ補正)] にすることで撮影可能となります。

もう一例。

4000_f20
風景写真で動くものの代表、水の流れ。
SS1/4000秒。超高速SSで 瞬間を切り取る、といった感じでしょうか。

25_f22
それに対してこちらはSSを1/25で撮影。 遅めなSSです。流れを表現するのには、こちらの方が向いてるかもしれません。

動いてるものを、色々なSSを使って試してみてください。
「このSSなら、こんな感じの写真になる」という感覚を、なんとなくでいいからつかんで下さい。

では、どうやってシャッター速度優先モードにするか?

 

[設定の仕方]

一般的には最初にISOを決めるのですが、話がややこしくなるので、ISOをオートに設定してください。たぶん最初の設定がオートになってるはず。

念のためスーパーコンパネを表示させてみましょう。(E-M5の場合)

infoボタンを押すと、背面液晶画面に表示されるはずです。

Spr_cnp
ISOオートを確認してください。

Mode 確認後、左側の撮影モードダイアルを シャッター速度優先[S]にします。

ファインダーを覗きながら、又はスーパーコンパネを見ながら、メインダイアルを回して好みのSSを選択します。

Zu

図中の①番がメインダイアルです。

Finder_2

ファインダーにはこのように表示されます。この図はSS1/250秒に設定した場合です。

横の絞り値は、カメラが自動で選んでくるので考えなくてもいいのですが、点滅させない様にしてください(点滅したらSSを変える)。

あとはシャッターを押すだけ。
慣れが必要なので数をこなしましょう。

その昔はフイルム代やら現像代が掛かって、金持ちしか数がこなせなかった?
デジタルの長所を生かして、バシバシ撮りましょう。

次回は[絞り優先]モードについてです。

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